1日3分でできる!マインドフルネスを子育てに生かす方法
世界的ベストセラー『親と子どものためのマインドフルネス』から、1日3分でできる、マインドフルネスのエクササイズをご紹介します。子どものメンタルが安定しないとき、一緒にやってみることをおすすめします。
はじめに
子どもがなかなか言うことを聞かない。
じっとしていられない。
夜なかなか寝つかない。
親に乱暴してくる。。
こういうことが長く続くと、親も子どももつらいですよね。
子どもは5歳を過ぎたあたりから、成長とともに思考や感情が複雑化し、さまざまなストレスを感じるようになります。
子どもが抱えるストレスは、大人が想像する以上のものです。
親の前では良い顔をしないといけないプレッシャー。
兄弟や友達と比べられることで起こるコンプレックス。
でも、親も大変です。
仕事も家事も忙しく、24時間ずっと、子どもに寄り添っているわけにもいきません。
そこで役に立つのが、1日3分でできる、マインドフルネスの実践です。
マインドフルネスとは、今この瞬間の自分の状態に意識を向けることで、思考や感情への囚われから解放していくためのトレーニング。
ストレス低減に効果があると言われており、科学的にも認められたものとなっています。
世界的なベストセラーとなった『親と子どものためのマインドフルネス』を参考に、すぐに実践できるエクササイズを3つご紹介します。
1.呼吸に気づく「カエルのエクササイズ」
子どもが落ち着かないとき、
泣きやまないとき、
何か嫌なことがあってパニック状態にあるとき、
どうしたら良いものかと、親もあわててしまうものです。
そんなときに役に立つのが、「呼吸に注意を向ける」こと。
この本では、子どもが楽しんで取り組めるよう、「カエルのエクササイズ」として紹介されています。
カエルさんはすぐれた生きものです。高いところまでジャンプできますが、静かにすわっていることもできます。
こころとからだで起きていることも、まわりで起きていることも、みんな気づいています。
おなかが少しふくらんで、へこみます。
大きくなって、小さくなります。
カエルさんはいろんなことができます。あなたもできます。
大切なのは、気をつけて注意を向けるだけ。呼吸に注意を向けましょう。
おだやかに。静かに。
引用元:『親と子どものためのマインドフルネス』エリーン・スネル著、株式会社サンガ、2015年。以下同じ。
これを、子どもにやさしく語りかけながら、親も一緒になって、くりかえしていきます。
できれば、誰にもじゃまされない、親と子どもが静かに座れる場所を用意して行います。
これが慣れてきたら、さまざまな場面で、呼吸に注意を向けるように言い聞かせます。
映画を見ているとき、
自転車に乗っているとき、
友だちと話しているとき、
「呼吸に気づいているかどうか」を子どもに聞いてみます。
練習を積むにつれ、どんなときも、自分の呼吸に気づけるようになっていきます。
2.注意力の筋トレ「私は火星人」
子どもは、見たり、聞いたり、匂ったり、味わったり、触れたり、生活の中で、豊かな感覚を育んでいきます。
しかし、感覚が生じた次の瞬間、思考が生まれ、それが次々に頭の中を回転していきます。
また、こころに欲や期待があると、事実をゆがめて見てしまいます。
例えば、「彼は私のことをしきりに見ているから、きっと私のことが好きなんだわ」というように。
そこで、あたまのなかでおしゃべりするのをやめ、価値判断を入れずに感覚を観察したなら、世の中をまったく違ったふうに経験できるようになります。
まず、子どもたちに「自分が火星人になった」と想像するように言います。
次に、目を閉じて、両手を出してもらい、”あるモノ”を置きます。
”あるモノ”とは、どんな子でもよく知っているちょっとしたふたつのモノです。
手のひらになにかを感じたら、目を開けてみてみます。
なにしろ火星から来たのですから、手のひらにあるものがいったいなんなのか、まったくわかりません。
なにも判断せず、ただ観察するようにはたらきかけます。
「なにが見える?」
「しわしわででこぼこした形」
「色は?」
「茶色と黒色が混ざっている」
「どんな匂いがする?」
「ハーブの匂い。でも名前は知らない」
その後、それをひと粒、口の中に入れるように言います。まず、上と下の歯の間に挟みます。噛んで、よく味わいます。
「わあ、甘い味と酸っぱい味がいっしょにする」
子どもたちが手にしたのは、2粒のレーズンでした。
彼らは、これまでに何度もレーズンを食べたことがあります。
でも、こんなふうに味わったり、見たり、感じたことはありませんでした。
よく知っているレーズンだと思って食べても、大きな感動はありません。
自分が火星人になったつもりで、レーズンを見たり感じたりするとき、余計な先入観や思考はありません。
新鮮で、創造的な視点をもって、感覚への注意力をトレーニングすることができます。
3.イヤな気持ちに気づく「気持ちの絵」
不安、怒り、恐怖。
子どもたちは、日々の生活の中で、ネガティブな感情をよく感じています。
心の中が嵐のような状態になり、自分でそれを処理できず、うまく表現できないことも多いです。
心の嵐を抜け出すために重要なポイントは、「自分の気持ちに、気づき、感じ、受け入れること」です。
なにか気持ちがわいてきたとき、どんな気持ちでも、その気持ちに気づき、名前をつけてみましょう。
たとえば、子どもに次のような「気持ちの絵」を見せて、そのときの気持ちに合う絵を指でさしてもらいます。
それを手がかりに、次の質問をしながら気持ちについて話し合ってみてください。
その気持ち、からだのどのあたりで感じますか?
その気持ちを、どうしたいですか?
大好きな友だちやペットといっしょに過ごしているときのように、その気持ちにやさしく注意を向け、しばらくいっしょにいることはできますか?
子どもは、「そうか、怒りはこんな感じがする。恐れはこんな感じ。さびしさはまた違う感じがする。
わたしは今感じている気持ちに注意を向けられる」ということに気づくでしょう。
どんな気持ちであれ、ありのままに気づくこと。
この練習を積むことで、ネガティブな感情に巻き込まれない心の状態を作っていくことができます。
おわりに
今回参考にしたこちらの本には、本エントリでご紹介した3つのエクササイズのほかにも、子育てに役立つマインドフルネスのトレーニングが多数掲載されています。
付属のCDを使って、親と子どもがいっしょに取り組めるようになっています。
私も、子どもといっしょに日々実践しています。
毎回、本やCDのインストラクションの通りにできるわけではありません。
うまくできないときは、それはそれでよしとして、次に進めば良いです。
それでも、忙しい日常の中で、子どもの心に向き合う、とても大切な時間をすごすことができます。
1日3分からできます。
ぜひ、気になる方は、手にとってみてください。
親と子どものためのマインドフルネス??1日3分!「くらべない子育て」でクリエイティブな脳とこころを育てる(気持ちがスーっと落ち着くマインドフルネス・エクササイズCD付)
- 作者: エリーン・スネル,ジョン・カバットジン,出村佳子
- 出版社/メーカー: サンガ
- 発売日: 2015/08/28
- メディア: 単行本
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