瞑想Hack

瞑想を始めたい・続けたい人のための瞑想ライフハック・ブログです。瞑想に取り組む上で知っておきたいことを、脳科学や仏教の視点も交え、わかりやすく解説しています。

瞑想で脳が若返る?瞑想による3つのアンチエイジング効果を解説!

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瞑想やマインドフルネスには、脳の若返り効果をもたらすことが、最近の脳科学の研究で明らかになっています。瞑想が脳に及ぼす3つのアンチエイジング効果についてまとめてみました。

 

 

 

 

 

はじめに

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瞑想やマインドフルネスには、さまざまな効果があると言われています。

 

 

代表的なものとして、

 

 

☑️ストレスが減る
☑️集中力が上がる
☑️睡眠の質が上がる

 

 

あたりは、ご存知の方も多いと思います。

 

 

最近ではなんと、

 

 

☑️脳が若返る

 

 

こんな効果を示唆する研究も出てきているそうです。

 

 

座って目を閉じるだけで脳が若返るなんて、ウソみたいですが、本当の話です。

 

 

このエントリでは、『脳が老いない世界一シンプルな方法』(久賀谷亮著、ダイヤモンド社、2018年)を参考にしながら、瞑想脳の若返り・アンチエイジングの関係について、解説したいと思います。

 

 

①長寿遺伝子「テロメア」への影響

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まずは、長寿遺伝子「テロメア」への影響です。

 

 

年齢は同じなのに、老けて見える人と、若々しい人がいますね。

 

 

これは、「テロメア」の長さと関係があります。

 

 

テロメアとは、染色体の末端の部分のこと。

 

 

私たちの染色体は二重らせん構造をした遺伝子からできていますが、染色体がほどけないように、テロメアがキャップのような役割を果たしています。

 

 

テロメアは、細胞分裂にともなって短くなります。

 

 

新生児のテロメアを100とすると、35歳では75、65歳では48くらいまで短くなるそうです。

 

 

テロメアの長さは、「若さ」のバロメーターになるというわけです。

 

 

そしてなんと、3週間にわたって瞑想を続けた結果、テロメアが長くなったという報告があるのです*1

 

  

また、自分や他人の幸せを願う「慈悲の瞑想」を実践している人は、そうでない人に比べてテロメアが長いことも明らかにされています*2

  

 

テロメアの修復・維持をつかさどるのが、テロメラーゼという酵素です。

 

 

この「若返り酵素」テロメラーゼですが、マインドフルネスを行った結果、3か月後に17%も活性が上昇したとの研究報告もあるそうです*3

 

 

②雑念回路の沈静化と脳内老廃物の除去

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人間の脳には、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる回路があります。

 

 

これは、何もせずぼんやりしているときや、雑念にとらわれているときに活性化するので、「雑念回路」とも呼ばれます。

 

 

瞑想は、過去や未来のこと、あらゆる雑念から離れ、「今ここ」に意識を集中するための実践です。

 

 

ですから、瞑想には、このデフォルト・モード・ネットワークを沈静化させるはたらきがあります。

 

 

瞑想経験者がマインドフルネスを実践しているときの脳内の状態を、ニューロフィードバックという手法で観察すると、内側前頭前野や後帯状皮質といったデフォルト・モード・ネットワークの主要部位の活動が一気に鎮まったという報告もあります*4

 


そして、デフォルト・モード・ネットワークは、活性化すると「アミロイドβ」と呼ばれる脳内の老廃物が蓄積しやすくなることがわかっています*5

  

 

また、アルツハイマー型認知症の発症にも関係していると言われることがあります。

 

 

要するに、雑念まみれの脳は、老化しやすいということ。

 

 

そして驚くべきことに、瞑想には、アミロイドβを除去するはたらきがあるそうです。

 

 

研究の概要は以下の通りです*6

  

 

94人の瞑想未経験の女性と30人の瞑想経験者を対象に、

 

半分の人たちには一般的なバカンスを6日間ほどすごしてもらい、残り半分には、同じ期間で瞑想を継続してもらった。

 

結果、全てのグループに、ストレスに関するポジティブな変化が見られた。

 

そして、瞑想を続けたグループの中では、初心者であっても、6日間の瞑想で脳内のアミロイドβの減少が確認された。

参考:pp.157-158『脳が老いない世界一シンプルな方法』久賀谷亮著、ダイヤモンド社、2018年

 

 

これは、瞑想が、脳の老化やアルツハイマー病を予防する可能性を示す驚くべき報告といえます。

 

 

 

③記憶力・認知機能の改善

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年齢とともに衰える脳の機能として、記憶力認知機能があげられます。

 

 

人は誰でも歳をとると、幼少時代の頃の話や長年の趣味・習慣についてはよく覚えている一方で、短期記憶、認知機能、直感力やとっさの判断力などはどうしても鈍っていくものです。

 

 

記憶については、特に年齢とともに衰えやすい種類の記憶(流動性知能)の能力が、瞑想やヨガを実践することで維持されやすくなるという報告があります*7

  


また認知機能についても、60歳以上の高齢者対象を含む調査で、マインドフルネス的介入としても太極拳が、認知機能全般を改善したという報告もあります*8

  


さらには、長年にわたる瞑想実践により、物質としての脳そのものの容積が大きくなることを明らかにした研究もあるくらいですから、驚きです*9

 

 

おわりに

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瞑想で、脳が若返る!

 

 

脳科学的にみて、あながちウソではないことがわかると思います。

 

 

このエントリは、『脳が老いない世界一シンプルな方法』(久賀谷亮著、ダイヤモンド社、2018年)を参考に、瞑想とアンチエイジングの関係についてまとめたものです。

 

 

また、本でも紹介されていた科学的根拠となる論文を、脚注につけています。

 

 

この本は、瞑想と脳の関係をより詳しく知りたい、瞑想やマインドフルネスの実践によって脳を若く保ちたいという方に、ぜひおすすめします。

 

 

脳を若く保つための、マインドフルネス呼吸法、運動や食事に関するエクササイズも紹介されており、簡単に取り組むことができます。

 

 

脳科学の話なので、普通であれば敬遠してしまいそうな高度な話が多いですが、それをマンガも交えつつストーリー仕立てで非常にわかりやすく紹介しているので、誰にとっても読みやすい良書です。

 

 

気になる方は、ぜひ手にとってみてください。

 

 

 

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