瞑想を続ける妻にインタビューしてみた
メンタルに大きな効果があると言われている瞑想。私の妻も、半年くらい前から瞑想を続けているようです。瞑想を続けてみて、妻は実際どんな変化を感じているのでしょうか。インタビューしてみました。
パオの妻ってどんな人?
私パオの妻は、イリコさんと言います。ニボシではなく、イリコです。(特に深い意味はありませんw)
イリコさんは、私よりちょっと年上で、結婚して5年くらいです。
横浜出身で、大学では心理学専攻。現在は介護施設に勤務しています。
それでは、インタビューを始めたいと思います。
なぜ瞑想を始めたの?
パオ(私):
では始めます。いりこさんは、なぜ瞑想を始めたのですか?
イリコ(妻):
パオさんが以前、東京マインドフルネスセンターに行って、瞑想を習ってきて、瞑想とても良いよ〜って言っていたので、興味が出てきました。
私も行ってみたら、とても良かったので、始めてみました。
パオ:
瞑想を始めてどれくらいですか?
イリコ:
毎日ちゃんとやるようになったのは、半年くらい前からです。
パオ:
瞑想をするタイミングや、かける時間は?
イリコ:
毎日、朝起きたときか、夜寝る前ですね。朝と夜で2回やるときもあります。
ストップウォッチで時間を測っています。平均で20分くらいですが、日によって調子がいい時と悪い時があります。調子が悪い時は10分たらずで終わっちゃうときもあります。
パオ:
どんな風に瞑想をしているのか、教えてください。
イリコ:
基本的には、東京マインドフルネスセンターで教わったやり方でやっています。
クッションの上にアグラをかいて座り、背筋を伸ばし、手はヒザの上。
目を閉じて、意識を呼吸に集中する。雑念がわいてきたら、それに気づいて、意識を呼吸に戻す。その繰り返しです。
パオ:
そうですね。東京マインドフルネスセンターで、はじめに習ったやつですね。
「サマタ瞑想」っていう、呼吸に意識を集中する瞑想ですね。
イリコ:
そうみたいですね。
パオ:
イリコさんは、これまでに瞑想を習ったり、体験したことはありますか?
イリコ:
体系的に習ったことはありません。
でも、独身の頃に、シャンティクティのワークショップに通っていたことがありました。このワークショップの一環で、マインドフルネス瞑想の体験をしたことがありました。
パオ:
補足しますと、シャンティクティというのは、長野の安曇野にあるゲストハウスのことです。
自然農、マクロビオティック、アーユルヴェーダ、ヨガなどのワークショップをやっていたりします。
安曇野の森の中、まさにパワースポット的な場所にある自然派ゲストハウス。自然派の暮らしを実践している人たちの間では、メッカのような場所です。
瞑想を始めて、気づいたこと
パオ:
さて、では本題に入ります。イリコさんは、瞑想を始めて半年ということですが、何か気づいたことはありますか?
イリコ:
朝、いつも6時くらいに目が覚めるのですが、寝起きはとにかく眠くてつらい。夜中に子どもが泣いたりして、あまり眠れないときもありますから。
寝起きがつらくて、いきなり起きるのは大変だけど、とりあえず瞑想ならできるので、してます。瞑想してダメなら、また寝ればいいやって思ってます。
でも、瞑想しているうちに、頭がだんだんさえてきて、無理なく起きられることが多いです。瞑想を始めてから、寝起きが楽になりましたね。
パオ:
なるほど。夜寝る前の瞑想はどうですか?
イリコ:
夜は、子どもを寝かしつけてから寝ますが、子どもが騒いだりするので、なかなか気持ちが休まらなくて、眠れないときがあります。
瞑想を少しすると、頭の中のイライラが静まる気がします。眠りの導入にいい感じです。
パオ:
そうですね。イリコさんの瞑想は、睡眠と覚醒の間をつなぐような役割を果たしているということですね。
イリコ:
朝の寝起きと、夜の寝つきに、それなりに効果があるような気がします。それがモチベーションで、毎日瞑想を続けています。
パオ:
瞑想にはさまざまな効果があるとされています。睡眠の質が改善されるというのも、主な効果のひとつです。生活の質(QOL)を大きく左右しますよね。
アメリカの睡眠医学会が発表した研究によると、瞑想トレーニングによって、寝つくまでの時間や夜中に目がさめる回数などが改善することがわかっているそうです。
瞑想をはじめて半年で、効果を実感できているということですね。
イリコ:
日によってまちまちですけどね。
日常生活における変化
パオ:
瞑想をはじめてから、日常生活に何か変化はありましたか?
イリコ:
変化は、あるといえばありますね。
私は、人から自分がどう思われているかを、とても気にする性格でした。人からどう思われているかを自分で勝手に想像し、それを根拠に、自分の行動を制限してしまうのです。
子供の頃も、ほんとは欲しいものがあったのに、言ったら親が嫌がるだろうと勝手に判断し、あきらめたり。実際は、親が嫌がるとは限らないのに。
でも、そういう勝手な判断とか、思い込みって、現実のものではないですよね。
瞑想をしていると、頭の中にわいてくるいろいろな考えは、全部妄想だって気づきます。現実にあるのは、自分の呼吸だけ。それに気づいたのですね。
だから、瞑想をはじめたおかげで、普段の生活の中でたくさん妄想していることに気づきました。妄想は、雑念と同じく、無意味なものですよね。
人に悪く思われてるんじゃないか、嫌われてるんじゃないか、そんな気持ちがずっと離れなかったのですが、最近は、だんだん自由になってきました。
心の底に板を張る?
パオ:
瞑想をはじめて半年で、そこまで変化を感じられるって、すごいですね。
イリコ:
私はもともと、自己肯定感がとても弱かったんです。心の底に小さな穴が空いていて、自己肯定感がいつもポタポタ漏れてる感じ。家族や親しい友達に認めてもらったりしたら、復活するんですけど、でも、また漏れていく。
仕事や子育てがキツかったり、嫌なことがあったりしてストレスがかかると、心の底が一気に抜けて、立ち直れなくなったりします。
私が思うに、瞑想やマインドフルネスは、心の底に板を張るツールのひとつのようなものだと思います。
心の底に空いた穴は、瞑想でも対処できるんじゃないかな。
でも、いくら瞑想してても、どうしようもないときはありますよ。
人から嫌われてるかも、みたいな感情は、いくら妄想だと気づいていても、乗り越えられないときもあります。
そういうときは、親とか、理解ある家族に助けてもらって、はじめて立ち直れますね。
パオ:
なるほど。瞑想を、心の底に板を張るツールだっていうのは、私には思いつかない発想ですね。
でも確かに、アメリカではマインドフルネスを、精神医療の現場に生かす取組が進んでいますね。
「マインドフルネス認知療法」というかたちで、マインドフルネスが、実際に「ツール」として応用されていることを考えれば、合点がいきます。
マインドフルネスは、簡単にいうと、「自分の心身の状態に気づくこと」ですよね。
マインドフルネスを究極までつきつめていくと、他者との関わりは関係なく、自分自身だけで満足みたいな境地になっていきます。
他者からの承認なんて、そもそも関係ないみたいな。
まあそこまでいくと、マインドフルネスというよりは、仏教の「悟り」に近いのかもしれませんが。。
「今を生きている」時間って、どれくらい?
パオ:
イリコさんは、普段から妄想するクセが、人一倍強いってことですか?
イリコ:
そうだと思います。一日のうち、すごく長い時間を、妄想とか、不安とか後悔とかに費やしてる気がします。
パオ:
それは、割合でいうとどれくらいですか?
イリコ:
そうですね、全体が10としたら、
未来の不安:6
過去のこと:3
今 :1
くらいです。
パオ:
今、目の前のことに夢中になっている時間は、たった1割しかない。。まあ、それは私も一緒かもしれません。
イリコ:
子どもの世話をしたり、一緒に遊んだりするのは楽しいですけど、「子どもが小さくてかわいいのは今だけだから。。」とか余計なことをすぐ考えてしまいます。
パオ:
それはよくわかります。
イリコ:
もともとちょっとメンヘラなところがありますからねw
「今を生きている時間」は、瞑想してもなかなか増えません。心のクセですよね。
でも、瞑想する前は、そんなことすら気づかなかったです。
1日のうち、目の前のことに夢中になっている時間って、本当にわずか。。
瞑想をして、はじめて気がつきましたよ。
おわりに
インタビューはこれで以上です。
私も妻も、どちらかといえば、内向的なタイプです。
カラダを動かすよりも、頭を動かす方が得意です。
そして、豆腐メンタル。
人からどう思われているか、けっこう気にするタイプ。
また、過去のことをくよくよ悩んだり、未来への不安にかられたり。
根拠のない妄想にとりつかれて消耗することも、よくあります。
そういうタイプの人間には、瞑想は合っているかもしれません。
瞑想しても、すぐに自分を変えられるわけではありません。
でも、私の妻のように、今まで見えてなかったものに気がつくかもしれません。
それだけでも、大きな収穫です。
参考になれば嬉しいです。
パオ