マインドフルネスに関する意識調査
最近よく耳にするようになった「マインドフルネス」。これ、実際にどれくらい認知され、どのようなイメージを持たれているのでしょうか。「マインドフルネスに関する意識調査」という興味深い調査があったので、ご紹介します。
はじめに
「マインドフルネス」という言葉、一度は耳にしたことがあるという方は、少なくないと思います。
私たちの心は、いつも過去の効果や未来への不安にとらわれ、「いま、ここ」から離れてしまう傾向にあります。
マインドフルネスは、私たちの心を、「いま、ここ」にとどめておくためのトレーニング。
瞑想やヨガなどの実践を通じて、不安や妄想にとらわれない心の状態を作り上げていきます。
マインドフルネスによって、
✅集中力が上がる
✅睡眠の質が上がる
✅ストレスが低減する
など、さまざまな効果があるとされ、最近では生活に取り入れる人も増えてきました。
今日のエントリでは、「マインドフルネスに関する意識調査」と題する興味深い調査があったので、ご紹介します。
この調査は、2017年に行われたもので、全国の男女600名(25〜60歳)が対象となっています。
「マインドフルネス」の認知度
まず、「マインドフルネス」という言葉の認知度に関する調査です。
全体の認知度は、約25%。
このうち、セミナーなどで体験したことがある(1.8%)、継続的に実践している(1.5%)を合わせると、3.3%。
経験者の割合が3.3%。100人いたら3〜4人が経験者ということですから、決して大きな数ではありません。
しかし、ひと昔前まで、瞑想やヨガが世間一般では「怪しい」ものとして扱われ、ごく限られた一部の人たちのものであったことを考えると、ここにきて、ずいぶんカジュアルな文脈で普及してきたことがわかります。
「マインドフルネス」に期待する効果
マインドフルネスには、実際さまざまな効果があるとされ、脳科学的な観点からの実証も進んでいます。
上のグラフは、人々がマインドフルネスにどのような効果を期待しているのかを示すものです。
期待の大きかったものを順に並べると、
①集中力の向上(52.4%)
②不安・怒りなどの感情のコントロールができるようになる(45.3%)
③イライラすることがなくなる(44.4%)
④うつや不安症、ストレスの軽減(43.4%)
このあたりは、マインドフルネスの効果としてよく使われる宣伝文句と重なっている印象があります。
「集中力の向上」については、やはり多忙なビジネスパーソンが、仕事のパフォーマンスを上げたいという思いから、マインドフルネスに関心を持っていると考えられます。
感情のコントロールやストレスの軽減を期待する割合も、大きいですね。
「マインドフルネス」から連想する言葉
こちらは、「マインドフルネス」からどのような言葉を連想するかを調査したものです。
上から順に並べると、
①「自己啓発」46.6%
②「瞑想」41.3%
③「心理療法」40.6%
④「スピリチュアル」39.8%
このあたりの言葉が上位に来ています。
印象的だったのは、1位の「自己啓発」と4位の「スピリチュアル」。
これらは、厳密にはマインドフルネスとは関係がありません。
マインドフルネスは、効果が科学的にも実証され、医学的な応用も進んでいるものです。
一方で、自己啓発やスピリチュアルは、その全てが悪いわけではないものの、科学的根拠がはっきりしないままビジネスに利用されている傾向にあります。
自己啓発やスピリチュアルは、ビジネスとしては大きなマーケットを形成しており、その中で「マインドフルネス」という言葉が多用されているのでしょう。
このあたりの概念が整理されないまま、普及しているのかもしれません。
おわりに
マインドフルネスは一度アメリカで爆発的に流行し、その波は日本にも本格的に押し寄せてきています。
そこでうたわれる効果はとても魅力的なものですし、科学的な裏付けもしっかりしているということであれば、今後、認知度はますます高まることが予想されます。
ただ、マインドフルネスが普及するにつれ、関連ビジネスが乱立するようになり、誤解も生まれやすくなるので要注意です。
マインドフルネスの行方、今後も注視していきたいと思います。
パオ