日本テーラワーダ仏教協会ってどんなところ?
スマナサーラ長老で知られる「日本テーラワーダ仏教協会」。いわば、マインドフルネス瞑想の本場です。今回、こちらの瞑想会にはじめて参加しました。実際に行ってみてわかったこと、感想などをレポートします。
はじめに
去る3月17日(日)、日本テーラワーダ仏教協会の瞑想会に参加してきました。
同協会のマーヤーデーヴィー精舎(兵庫県三田市)で行われた「関西月例冥想会」です。
同協会の瞑想会や勉強会に参加するのは、はじめての経験でした。
このエントリでは、瞑想会に1日参加してみて感じたことを、私なりにまとめたいと思います。
なお、私は同協会の会員ではなく、仏教徒でもない、一般人です。
ただ、毎日マインドフルネス瞑想を実践している中で、もっと本格的に瞑想を学んでみたいという思いから、今回瞑想会に参加させていただきました。
テーラワーダ仏教は、マインドフルネス瞑想の源流。いわば、瞑想の本場ですね。
瞑想やテーラワーダ仏教に興味がある、いつかは参加してみたい、という方の参考になればと思います。
日本テーラワーダ仏教協会とは?
日本テーラワーダ仏教協会は、1994年に設立された宗教法人です。
テーラワーダ仏教というのは、上座部仏教とも言われますが、タイ、ミャンマー、スリランカなど東南アジアの国々で信仰されている仏教のこと。
日本は大乗仏教の国ですから、日本人にとってテーラワーダ仏教はそれほど身近な存在ではありません。
ただ、最近では日本でもテーラワーダ仏教がより多くの人に知られるようになり、ヴィパッサナー瞑想をはじめとする実践を行う人も増えてきています。
日本においてテーラワーダ仏教の伝道、普及のために活動しているのが、この日本テーラワーダ仏教協会。
活動拠点は主に4か所。
「精舎」と呼ばれるお寺が、東京(幡ヶ谷)、大阪(岸和田)、兵庫(三田)、佐賀(鹿島)にあります。
このほか、自主勉強会・瞑想会を行うダンマサークルや協力寺院が各地にあり、全国的なネットワークを形成しています。
テーラワーダ仏教は、宗教であることには変わりないのですが、何か死後の世界とか、スピリチュアルなものを信仰するというような要素はあまりありません。
同協会のホームページにも、以下の記述があります。
お釈迦様の根本の教えは、単なる信仰の対象でも博物館に飾っておく遺物でもなく、現代の私たちの「生きる」という問題を解決するための方法です。
「あの世」とか「魂」とか、そういうものにはあまりフォーカスしません。
どちらかというと、私たちが普通に生きていく中で直面する、悩み、ストレス、怒りなどをどうやったら軽減できるか、どうやったら少しでも生きやすくなるか、というところにフォーカスしていきます。
こうした現実的なスタンスが、人々の支持を集めているのかもしれません。
スマナサーラ長老とは?
同協会では、テーラワーダ仏教の本場であるスリランカやミャンマーなどから派遣された長老の指導により、勉強会や瞑想会の指導が行われています。
ここで、避けては通れないのが、アルボムッレ・スマナサーラ長老という人物。
スマナサーラ長老は、スリランカ出身の僧侶ですが、日本に縁の深い方です。
初来日は、今から40年近く前、国費留学生として日本の大学院に留学しています。
日本において、講演会や瞑想指導などの活動を精力的に行なっており、その指導歴は30年近くに及びます。
70歳を超えた今でも、同協会の各精舎や活動拠点で、法話や瞑想指導がひんぱんに行われています。
著書も多数。数が多すぎて把握しきれませんが、100冊はゆうに超えると思います。
代表作はこちら。
心を整える8つの脳開発プログラム: 悩みを生み出す「大脳」と「原始脳」のメカニズム
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過去には、養老孟司さん、前野隆司さん、名越康文さん、香山リカさん、藤本晃さん、イケダハヤトさんなどなど、各界の著名人との対談も数多く行なっています。
無知の壁: 「自分」について脳と仏教から考える (サンガ新書)
- 作者: 養老孟司,アルボムッレ・スマナサーラ,釈徹宗
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最近の日本におけるテーラワーダ仏教の普及と発展を考えたとき、スマナサーラ長老の果たしてきた役割は計り知れません。
実際に行ってみて
当日の流れ
今回私が参加したのは、マーヤーデーヴィー精舎で行われた「関西月例冥想会」です。
当日(3月17日)のスケジュールは以下の通りです。
9:30〜11:30 お経・法話と質疑応答
11:30〜11:40 お釈迦様への食事のお供え
11:40〜13:20 お昼休憩
13:20〜18:30 瞑想指導
こんな感じで、1日みっちりとスケジュールが組まれています。
特に事前予約は必要ありません。
初めての参加でも歓迎して下さいます。
受付をすませ、機関誌など資料をいただきます。
参加費は、ご喜捨となっています。
自分の気持ちや経済事情に即した金額を決め、お渡しすれば大丈夫です。
初めての参加者に対しては、最初にスタッフの方から簡単なガイダンスがありました。
お昼休憩は、長めに設定されています。
昼食の用意があり、いただくことができます。自分で昼食を持ち込んでも問題ありません。
午後の瞑想は、初心者と経験者の2グループに分かれます。
初心者グループは、長老からしっかりと瞑想指導を受けます。少人数で、質疑応答の機会も多く、長老はひとつひとつ質問にていねいに答えて下さいます。
瞑想をしっかり学びたいという人にとっては、とても貴重な機会です。
経験者グループは、各自で自主瞑想をするという感じでした。
マーヤーデーヴィー精舎について
(マーヤーデーヴィー精舎外観)
兵庫県三田市にある「マーヤーデーヴィー精舎」。
神戸電鉄の三田本町駅から徒歩8分ほど。山に囲まれた住宅地の中にポツンとあります。
神戸三宮から、何度か乗り継ぎをして、1時間くらいかかります。
建物は、立派な木造2階建。2009年設立の新しい建物で、中は明るく、とても素敵な雰囲気でした。
どんな雰囲気だった?
当日は、総勢120名ほどの参加ということで、大変に賑わっていました。
年配の方が多い印象でしたが、若い人の姿もちらほら。
全体の雰囲気は、基本的にみなさん和気あいあいと、穏やかな感じです。
ただ、やはりここは瞑想会。
参加者の一人一人が、真剣な眼差しで臨んでいます。
宗教をイメージすると、敬遠したり警戒心をもったりする方も少なくないと思います。
ちょっと興味あるけど、いざこのような瞑想会に参加するとなると、少しハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。
でも、この日本テーラワーダ仏教協会に関しては、怪しい雰囲気はまったくないです。
来るものは歓迎、去るものは追わずという感じで、警戒心を持つ必要はまったくありません。
みんなでお経を唱えたり、お釈迦様にお供えしたりするやり方が日本のお寺と異なるので、最初はちょっと慣れないかもしれませんが、周囲を見ながら一緒にやっていれば、わりとすぐ慣れます。
スタッフの方々の働き方も、みなさん自主的にこの場を作っているという感じです。
上層部からの指示みたいなものはなく、参加者のボランティア精神で成り立っているようでした。
貴重な機会をいただけたこと、長老やスタッフの皆様に、心から感謝申し上げたいと思います。
おわりに
以上が、瞑想会に実際に参加してみた感想です。
瞑想は、癒しやリラクゼーションではありません。また、現実逃避の手段でもありません。
ですから、癒しやリラクゼーションを求める人は、こちらの瞑想会は向かないです。
瞑想は、自分の人生をより良く生きたい、悩みを少しでも解消したいという願いから、主体的に取り組むものだと思います。
そういう真摯な気持ちで取り組むのであれば、こちらはとても貴重な場だと思います。
基本的にはどのような方でも受け入れていただけるようですし、安心して参加することができます。
私は、瞑想を始めて8か月くらいになります。
瞑想を続けていると、モチベーションが低下してきたり、やり方が自己流になってきたりして、壁にぶつかることがあります。
そんな時、専門家の指導を受けてみること、これがとても重要です。
マインドフルネス瞑想を学べる場所は国内にいくつもありますが、こちらの協会は、テーラワーダ仏教の本場です。
本格的に瞑想に取り組みたいという方には、ぜひおすすめしたいと思います。
こちら、協会のホームページに、各地のイベント情報などが詳しく掲載されていますので、あわせてご参照ください。
パオ