瞑想Hack

瞑想を始めたい・続けたい人のための瞑想ライフハック・ブログです。瞑想に取り組む上で知っておきたいことを、脳科学や仏教の視点も交え、わかりやすく解説しています。

カラダの痛みをコントロールする方法

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カラダの痛みをコントロール?怪しいけど。。でも、痛みを感じるメカニズムを知れば、痛みと上手につきあっていけるようになります。

 

 

 

 

 

はじめに

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痛みをコントロールする?

 

 

ちょっと怪しいタイトルになってしまいました。

 

 

洗脳、催眠、トリックとか、そんな話ではありません。

 

 

車のドアに頭をぶつけた、熱い鉄板に触れて指を火傷した、など、突然の痛み

 

 

あるいは、頭痛とか腹痛、関節痛など、病気やカラダの不調による痛み

 

 

これらの痛みを、あなたはどのように感じているのか

 

 

このメカニズムを知れば、もう少しうまく、痛みとつきあっていくことができるかもしれません。

 

 

「マインドフルネス・ストレス低減法」という本を参考にしながら、見ていきましょう。

 

 

「痛み」と「苦痛」はちがう

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私たちは、痛みに対して嫌悪感があると思っていますが、実は、それは、「苦痛」に対する嫌悪感なのです。

私たちは、痛みと苦痛を区別していませんが、この二つは明らかに違うのです。

 

 

「痛み」というのは、実際の体験の一部分です。

 

「苦痛」は、痛みに対する様々な反応の一つなのです。

 

苦痛というのは、体の痛みからも精神的な痛みからも生じてきます。苦痛は、自分の考え方や感情、そして自分の体験の意味づけの仕方などに関係してきます。

 

ですから、苦痛は、あくまでも「痛みという体験に対する反応のひとつに過ぎない」という点を忘れないでください。

 

 

大したことのない痛みであっても、「腫瘍のせいではないか」とか、「命取りになるのではないか」などという恐怖があれば、苦痛の度合いは高まってしまいます

 

ところが、同じ痛みでも、検査の結果、悪い兆候ではないと判明すると、気にならなくなってしまいます

 

つまり、苦痛の度合いは、痛み自体ではなく、痛みに対する自分の味方や反応によって決まってくるわけです。

 

そして、実際に私たちが恐れているのは、痛みではなく、この苦痛の方なのです。

引用元:「マインドフルネス・ストレス低減法」J.カバットジン著、北大路書房、2007年

 


「痛み」と「苦痛」を分ける。

 

 

考えたこともなかったです。

 

 

私は、過敏性腸症候群(IBS)という病気で、長年悩んでいます。

 

 

現代日本人の、特に若い人によくある病気です。

 

 

簡単にいうと、下痢体質です。

 

 

ご飯を食べた後や、少し心理的なストレスを感じた時に、お腹がゴロゴロして、お腹がぎゅーと痛みだし、下痢します。

 

 

ひどいときは、毎日のようにあるので、日常生活に支障が出たりします。

 

 

でも、単なる腹痛ですむはずなのに、

 

 

「ああ、いつも下痢してつらいな、これから先の人生、ずっと下痢治らないのか・・」

 


「学生の頃は、もっと胃腸も強かったのに、どうしてこうなっちゃったんだろう・・」

 


「昔は、平気で途上国とか旅しても、お腹大丈夫だったのにな。今じゃ、海外旅行にいくのも不安だな」

 

 

とか余計な感情が出てきます。

 

 

身体の痛みに引きづられて、不安や恐怖がズルズルと出てきてしまいます

 

 

これが「苦痛」です。

 

 

身体の痛みと「苦痛」を分けて考えられるようになれば、もっと楽になるはずです。

 

 

痛みをコントロールする?

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医学の新しいパラダイムでは、痛みを単なる「体の問題」としてではなく、「システム全体の問題」としてとらえようとしています。

 

体の表面および内部で発生する傷害の感覚は、神経繊維を通じて脳に伝達されます

 

そして、脳でこのメッセージを「痛み」として判断するわけです。

 

私たちが痛いと感じるまでには、このような伝達作業が行われているのです。

 

 

痛みの度合いを加減することができる高度な認識機能や感情機能が、脳や中枢神経系との内部にたくさんあることが判明しています。

 

ですから、痛みという体験をコントロールするために、意識的に心に影響を与える方法はいくらでもあるということになるのです。

 

 

痛みと上手く付き合いながら暮らしていく方法として、瞑想が非常に効果的である理由はここにあります。

 

医者が瞑想を勧めるのは、あなたの心と体は切り離された別個のものではなく、痛みには精神的な要素が関係している、と考えているからです。

 

つまり、 心の内的な力を動員すれば、ある程度は痛みをコントロールできると考えているのです。

引用元:上に同じ

 

 

ここで瞑想が出てくるわけです。

 

 

身体の痛みには、適切に対処しなくてはいけません。

 

 

痛みが大きければ、薬を飲んだり、麻酔を打ったりして、医学的処置を施す必要がありますね。

 

 

でも、身体の痛みにともなって出てくる、心の痛みに対しても、適切な処置が必要です。

 

 

苦しみ、不安、恐怖。。

 

 

こういったものは、瞑想トレーニングで対処していくということです。

 

痛みに対する瞑想の効果

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マサチューセッツ大学メディカルセンターにあるストレス・クリニックでは、次のような調査が行われました。

 

 

調査の対象になったのは慢性的な痛みを持つ患者。

 

 

痛みの測定には、「マギル・メルザック痛み尺度(RRT)と呼ばれる質問票が使われました。

 

 

痛みの種類は、腰痛、首や肩や顔の痛み、頭痛、腕や腹部や胸の痛みなどさまざまです。

 

 

8週間にわたって自宅や授業で瞑想トレーニングを続けたところ、慢性的な痛みを抱えた患者のうち61%の患者の痛みが半減した。

 

 

自分の体に対する悪いイメージがどれぐらい変化したか(自分の体にどの程度問題があると思っているか)ということを調べる調査も行なっています。

 

これによると、プログラム終了時までに自分の体を問題視する率が、約30%も減少していることがわかります。

 

痛みがある患者は、特に自分の体に対して否定的な見方や感情を持ってしまうものですが、こういう見方が短期間のうちに大幅に改善することができるというわけです。

引用元:上に同じ

 

 

瞑想トレーニングにより、痛みの感じ方を変えることができる。

 

 

どのような種類の痛みであっても、痛みを受け入れ、痛みから何かを学ぼうという姿勢があれば、トレーニングによって痛みを改善できるということですね。

 

 

おわりに

「マインドフルネス・ストレス低減法」の内容のうち、痛みに関わる部分を紹介しました。

 

 

マインドフルネスストレス低減法

マインドフルネスストレス低減法

  • 作者: ジョン・カバットジン,Jon Kabat‐Zinn,春木豊
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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同著は、マインドフルネスの分野では、古典的名著とされています。

 

 

著者は、マサチューセッツ大学のジョン・カバットジン博士。

 

 

「マインドフルネスストレス低減法」プログラムを開発し、マインドフルネスが広まるきっかけを作った人です。

 


当たり前ですが、マインドフルネスは、万能の薬ではありません

 

 

瞑想トレーニングをしているからといって、それで全て解決というわけにはいきません。

 

 

当然、身体的疾患に対しては、医学的処置を施さなければなりません。

 

 

マインドフルネスに対して、ナイーブな信仰は禁物です。

 


ただ、マインドフルネスの視点を持つと、痛みに対する考え方が、少しづつ変わってきます

 

 

参考にしていただけたら嬉しいです。

 

 

PAO