【申し込み編】ヴィパッサナー瞑想センター(京都)10日間コース参加レポート
ヴィパッサナー瞑想センター(京都、千葉)で行われる10日間の瞑想合宿に行ってきました。シリーズでお届けする参加レポート第5弾は、【申し込み編】。初めて参加する場合の準備、参加方法、アクセス、費用、その他事前に知っておくべきことを解説します。
はじめに
京都のセンター外観(筆者撮影、以下同じ)
京都と千葉の山奥にある「ヴィパッサナー瞑想センター」。
ここは、本格的な「ヴィパッサナー瞑想」を体験できる、日本でも数少ない施設です。
瞑想実践者にとってはいわずと知れた存在。人生で一度は行ってみたいところです。
そして、ついに私も行ってきました!
京都の「10日間コース」に申し込み、2019年5月8日〜19日まで、泊まり込みでがっつり瞑想してきました。
とても濃密な体験でした。
一つのエントリではとても語りつくせないので、参加レポートをシリーズでお届けしたいと思います。
今回は、【申し込み編】です。
ちょっと参加してみたい!でもどうしたらいいの?
という方に、経験者の視点から、参加するにあたって事前にやっておくべき準備や、申し込み方法、アクセス、費用など、事前に知っておいたほうが良いことをまとめてみました。
事前の準備
瞑想ホール(京都)外観
予定の確保
まずは、予定の確保です。
初めて参加する場合、申し込みができるのは「10日間コース」のみです。
10日間といっていますが、前後の移動日を合わせると、実質12日間の予定を確保する必要があります。
この時点で、ほとんどの人があきらめますよね。
お勤めの方はもちろん、主婦や学生さんであっても、まるまる12日間の予定を空けるのは簡単ではないはずです。
でも、ご安心を。
年末年始やゴールデンウィークの時期も10日間コースは開催されているので、お勤めの方でも、ここを利用すれば参加できるかもしれません。
それ以外の時期でも、うまく休みをとったり、退職と再就職の間を使ったりと、みなさん工夫しているようです。
周囲の理解
12日間も不在にするわけですから、家族や職場など、周囲の理解も欠かせません。
おまけに、コース中は、一切インターネットの使用が認められません。
これは、ネットの使用が、瞑想実践の妨げになると考えられているからで、コース開始時に、スマホ類を全て預けることになります。
ですから、12日間、まるまる音信不通になります。
特に、家族やパートナーがいる方は、このことを十分よく説明しないといけません。
「瞑想合宿に行ってきます」なんて、普通はなかなか理解してもらえないかもしれませんが、しょうがないですね。
緊急時の連絡用に、センターの電話番号(京都:0771-86-0765、千葉:0475-40-3611)を伝えておいた方が良いと思います。
持ち物の準備
合宿中に必要な持ち物については、こちらのエントリにまとめてあります。
心の準備
センターで習う瞑想法は、ミャンマー出身のS.N.ゴエンカ氏が確立したもの。
ゴエンカ氏がどんな人物か、またどんな瞑想指導をしたのか、事前に知っておいて損はありません。
ゴエンカ氏は、国連で演説したこともあるほど世界的な有名人で、英語での情報が多めですが、日本語でもわかりやすい翻訳が出ています。
- 作者: ウィリアム・ハート,日本ヴィパッサナー協会,太田陽太郎
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 1999/11/25
- メディア: 単行本
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私は一通り読み、以下のように内容を簡単にまとめてみました。
コース中も、ゴエンカ氏による音声講義があります。
この本の内容と、講義の内容は重なる部分も多いので、事前に読んでおくと理解の助けになると思います。
申し込み方法
京都センターの敷地内の様子
申し込みは、オンラインでできます。
京都のコースはこちら、千葉のコースはこちらのリンクから入れます。
こちらは、京都の申し込みページです。
希望の日程を選んで「申込み」をクリックし、あとはガイダンスのとおりに進んでいけば、簡単に予約できます。
10日間コースは、時期にもよりますが、だいたい月に2回くらいのペースで開催されています。
大型連休中は申し込みが殺到するので、募集がかかったらすぐにネットで申し込みましょう。
募集がかかるタイミングは、コース開始日の約2か月前です。
大型連休以外でも、季節によっては早々と予約が埋まったりします。
特に女性枠はキャンセル待ちになりやすようなので、こまめにサイトをチェックするようにしましょう。
申し込みが受理されると、センターからメールが届きます。
このメールには、アクセス、必要な持ち物、その他注意事項などが詳しく書かれているので、よく読んだ方がいいです。
加えて、コース開始の2週間前になると、参加の意思を再確認するためのメールが届きます。これに回答して、正式に参加が確定します。
アクセス
京都ダンマバーヌ
JR京都駅より山陰本線に乗車。園部駅で下車(快速で36分)。
園部駅より、西日本JRバスに乗車。バス停は、改札出て右側の階段を降りるとすぐあります。桧山(ひのきやま) バス停で下車(乗車時間は30分程度)。
園部駅を降りると、明らかに瞑想合宿に来たとみえる、大きな荷物を持った人たちがいるので、すぐわかると思います。
私のときは、桧山バス停に着くと、「日本ヴィパッサナー協会」と書かれた車が迎えに来てくれていました。
それらしい車がない場合は、センターに電話しましょう。
自家用車で行くこともできます。
千葉ダンマーディッチャ
JR外房線の茂原(もばら)駅で下車(東京駅から約1時間30分)。
茂原駅からのアクセスは、以下の3通りあるようです。
送迎車
時間が合えば、茂原駅からセンターの送迎車が利用可能。詳細は、申し込み時に要確認。
バス
(平日)
茂原駅南口3番バス乗り場から小湊鉄道バスに乗り、「睦沢中央公民館」で下車。
(土日祝日)
茂原駅南口1番バス乗り場から「いすみシャトルバス(増田橋行き)」に乗り、「工業団地入口」で下車。
バス停よりセンターまで、センターによる送迎あり。
タクシー
茂原駅から都タクシー(0475-22-3545)に電話をし、「ダンマーディッチャまで」と告げます。茂原駅、センター間は3300円均一だそうです。
参加費
京都センターの敷地内の様子
コースの運営は、全てボランティアと寄付で成り立っているため、参加費は無料です。
センターは商業施設ではないので、必要最低限のものしか用意されていませんが、それでもある程度快適に過ごすことができます(詳しくは施設編を参照)。
宿泊、食事なども全て無料なので、正直びっくりしました。
コース終了後に、寄付をすることができます。コースの運営に対する寄付と、施設の建設計画に対する寄付の2種類があります。
コースの運営だけでも、1人あたりそれなりの金額がかかっているのではないかと想像しました。
自分で決めた金額を寄付しましょう。
ただ、寄付の金額に応じて、コース中の扱いが変わったりするようなことは一切ありません。
心配なことは?
京都センターの敷地内の様子
体力面の心配
1日10時間の瞑想を10日間、合計100時間です。
毎朝4時起きで、寝室は雑魚寝の集団生活。
食事は1日2回だけ。
ちょっと特殊な生活環境に、本当に耐えられるだろうか、不安に思う方もいるかもしれません。
私も出発前は、体力面・体調面で、いろいろと心配でした。
100時間も瞑想できるだろうか。。
夜はちゃんと眠れるだろうか。。
朝晩の冷え込みで風邪をひいたりしないだろうか。。
確かに、コース中の生活はなかなか厳しいものです。
風邪気味で少し熱があるとか、ケガをして長時間座るのが難しいとか、そういう場合は、体調が整うまで参加を見送った方がいいと思います。
無理に参加してセンターに迷惑をかけてもいけません。
このあたりは、センターからも申し込み時に注意があります。
でも、ちょっとした疲れや倦怠感があるくらいなら、思い切って参加した方がいいと思います。
規則正しい生活でメンタルがシャキッとするので、かえって元気になります。
しっかり対策していけば、1〜2日で、特殊な生活環境にも慣れます。
私が参加したときは、男女あわせて約50名のうち、ほとんどの参加者が元気にコースを終えることができていました。
途中離脱した人は2〜3人でした。
理由は、詳しくはわかりませんが、体調がすぐれない、生活に耐えられない、瞑想指導の方法に疑問があるなど、いろいろあり得るのかなと思います。
ちょっと怪しくて心配
あと、起こりうる懸念としては、なんかちょっと「怪しい」「宗教っぽい」ということ。
気になる人もいると思います。
公式サイトも、どこか古めかしい作りで、ヴィパッサナー瞑想についての説明も、なんとなく宗教的な雰囲気を感じなくはありません。
一通りの説明はありますが、文字ばかりで、施設や瞑想を指導してくれる先生の写真などもあまり載っていません。
情報が少ないんですよね。
ただ一方で、「ヴィパッサナー 京都」「ヴィパッサナー 千葉」などで検索すると、当ブログのような体験記がそれなりにヒットします。
これらを読むと、そこまで怪しい場所でないことはわかると思います。
少なくとも、コース中に洗脳されたり、しつこい勧誘を受けたりするようなやばい組織ではないので、安心してください。
一部、センターの瞑想指導のやり方に関して疑問、批判の声があるのは事実なので、そのあたりの詳細は、怪しさ・批判編にまとめています。
おわりに
センター入り口の看板
「参加しようかな...」と少しでも迷っている方。
そんな方がいたら、私はこう言いたいです。
「ぜひ、思い切って参加してください!」
迷っている時点で、その人には、参加するチャンスがあるということ。
ほとんどの人は、参加したくても、仕事や家庭の事情で、参加できないと思います。
参加できるときに、参加した方がいいです。
もちろん個人差はありますが、私は、10日間コースから期待以上の成果を得ることができ、本当に参加できてよかったと思っています。
ぜひ、検討してみてください。
パオ