瞑想の指導が受けられる教室・施設のリスト
一度は瞑想をしっかり習ってみたい。でも、どこに行けばいいの?私の実体験をもとに、日本国内で瞑想指導を受けられる教室・施設のリストを作成してみました。どこも、しつこい勧誘を受けるような教団色はなく、誰でも安心して参加できるものです。
はじめに
心身の健康を保つために、瞑想を生活に取り入れる人は近年増えています。
瞑想を継続的に実践するにあたっては、やはり一度は専門家の指導を受けた方が良いです。
書籍やネット情報を参考にして自分で取り組むこともできますが、そのやり方が正しいのか自信をもてなかったり、自己流になってしまいかえってメンタル状態が悪化したりするリスクがあります。
でも、瞑想を学びたいと思っても、どこに行っていいのか、わかりませんよね。
瞑想指導を受けられる場所は、昔よりは増えてきているものの数は限られていますし、どういう基準で選んでいいかもよくわかりません。
中には、しつこく勧誘を受けるようなところや、カルト教団のようなちょっと怪しいところもあるかもしれません。
このエントリでは、瞑想の初心者がこれから指導を受けてみたいと思う場合に、安心して参加できる教室・施設をご紹介します。
いずれも、私が実際に参加して良かったと思うところばかりですので、自信をもっておすすめできます。
東京マインドフルネスセンター
(写真はイメージ)
概要
東京マインドフルネスセンターは、東京・赤坂にある、マインドフルネス・スタジオで、2013年6月に開設されています。
同センターの最大の特徴は、医療機関がバックボーンになっていること。
「マインドフルネス」ということばを世に広めたジョン・カバットジン名誉教授(マサチューセッツ大学メディカルスクール)の提唱する「マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)」の有資格者による指導を受けることができます。
精神疾患の治療目的で通う方もいますが、治療目的以外の一般の方も、気軽に通うことができます。
プログラム
実施されているプログラムは以下の通り。
→マインドフルネス・クラス
1時間半〜2時間、マインドフルネスヨガやマインドフルネス瞑想を行う1回限りのクラス。
事前予約なしで参加できます。
→マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)
8週間の集中的なプログラムです。
瞑想やマインドフルネスの効果は、科学的にも実証されていますが、その根拠となっている論文の多くは、この8週間プログラムをもとにしています。
8回のマインドフルネス・トレーニングに加え、オリエンテーション、1dayトレーニングの全10回から成っています。
→リトリート
自然豊かな環境で行うリトリート。春の鎌倉山で行う1dayリトリート、夏の蓼科で行う合宿があります。
その他、著名なゲストを招いてのワークショップなども開催されています。
参加方法
はじめて参加するときに、入会金をお支払いします。
マインドフルネス・クラスは、予約なしで参加できます。
(参加費)
一般 |
学生 |
|
入会金 |
7,000円 |
3,500円 |
1レッスン料金 |
3,500円 |
2,500円 |
1か月定期 |
10,000円 |
|
MBSR |
60,000円 |
こんな人におすすめ
瞑想・マインドフルネスを始めてみたいという方、始めてみたけど一人ではなかなかうまく続けられないという方は、一度、こちらで専門家による指導を受けると良いと思います。
マインドフルネス・クラスを1度受講するだけでも、自分のやり方を軌道修正できますし、モチベーションも上がり、効果は大きいです。
本格的に取り組みたいという場合は、8週間のマインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)がおすすめ。
うつ病などの精神疾患の治療の一環として、通われている方もおられます。
こちらは、医療法人が母体となっており、宗教色のようなものは全くありません。
安心して参加できる環境が整っていると思います。
追記
私がマインドフルネス・クラスに参加した際のレポートは、こちらです。
また、同センター長が監修しているマインドフルネス瞑想の入門書。
こちらは、マインドフルネス瞑想やマインドフルネスヨーガについて、初心者がいちから学ぶのにはもってこいの一冊。カラー写真がふんだんに使われていてとてもわかりやすいです。
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MBSR研究会
関西プログラムの会場となっている関西医大病院 ※筆者撮影
概要
MBSR研究会は、東京マインドフルネスセンターと同様、マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)を受講することのできる機関で、事務局は関西医科大学心療内科学講座医局内に設置されています。
プログラムの指導者(ファシリテーター)は、マサチューセッツ大学等で研鑽を積んだ有資格者であるばかりでなく、医師や臨床心理士でもあります。
東京マインドフルネスセンターのように常設のスタジオがあるわけではありませんが、年に数回、東京や大阪でプログラムを開催しています。
プログラム
実施されているプログラムは以下の通り。
→マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)
8週間の集中的なプログラムです。
週1回のクラス参加(8回)と、終日プログラム(1回)からなる、全9回のプログラムです。
無料のオリエンテーションは、オンライン形式で実施されます。
→セミナー、ワークショップ
不定期でマインドフルネス関連のセミナーやワークショップを開催しています。
また、「.b(ドットビー)プログラム」という、中学生高校生を対象としたマインドフルネスプログラムの指導者養成なども行っています。
参加方法
MBSR8週間プログラムの受講にあたっては、まずウェブサイトから希望するプログラムを選び、「無料オンライン・オリエンテーション」の申し込みをします。
オンライン会議形式で説明を受けたあと、正式に参加する場合は、参加費を指定された方法で支払う流れとなります。
プログラムは、毎年数回行われています。
最近では、大阪で春と秋の年2回、東京で年1回行われているようですが、年によっても流動的なのでウェブサイトで確認が必要です。
費用について、プログラムによっても異なりますが、7〜8万円程度と考えれば良いです。
ただ、経済的事情から支払いが困難な人に対しては、一定の配慮(割引)がある可能性があります。
こんな人におすすめ
基本的には、瞑想やヨガの経験を問わず、どのような方でも参加できます。
ただ、8週間にわたるプログラム(週1回のクラス参加と毎日1時間の自宅実践)はそれなりにハードです。
本格的に瞑想に取り組みたい、瞑想やヨガを通じて自分のメンタルを少しでも改善したいと考える方には、おすすめです。
指導にあたるファシリテーターは、MBSRの資格を持った医師や心理士で、メンタルヘルスの臨床現場での経験も長い方なので、安心して受講できると思います。
さらに、通常、ファシリテーターが2人つき、男性・女性1人ずつなので、大変バランスの取れたクラスになっている印象があります。
追記
私は、MBSR研究会の関西で行われたMBSR8週間プログラムに参加しました。
プログラムを無事修了したあとに、体験をもとに書いたエントリがこちらです。
MBSR研究会がオリエンテーションの動画を公開しているので、あわせてご覧ください。
日本テーラワーダ仏教協会
マーヤーデーヴィー精舎外観 ※著者撮影
概要
日本テーラワーダ仏教協会は、1994年に設立された宗教法人で、日本においてテーラワーダ仏教の伝道、普及のために活動しています。
テーラワーダ仏教とは、上座部仏教とも言われますが、タイ、ミャンマー、スリランカなど東南アジアの国々で古くから信仰されている仏教のこと。
こちらは、いわばマインドフルネスの本場です。
ミャンマーやスリランカから僧侶(長老)が派遣されており、マインドフルネスの源流となったテーラワーダ仏教の「ヴィパッサナー瞑想」の指導を受けることができます。
スマナサーラ長老について
同協会を語る上で欠かせないのが、テーラワーダ仏教界の大御所、アルボムッレ・スマナサーラ長老です。
スマナサーラ長老はスリランカ出身の僧侶ですが、日本ととても縁の深い方。
講演会や瞑想指導などの活動を精力的に行なっており、日本での指導歴は30年近くに及びます。
70歳を超えた今でも、同協会の各活動拠点で、法話や瞑想指導がひんぱんに行われています。
活動拠点とプログラム
活動拠点ですが、以下のとおり、精舎と呼ばれる拠点が全国に4か所あります。
・ゴータミー精舎 (東京都渋谷区幡ヶ谷)
・アラナ精舎(大阪府岸和田市)
・マーヤーデーヴィー精舎(兵庫県三田市)
・佐賀精舎(佐賀県鹿島市)
また精舎のほかにも、全国各地にダンマサークルや協力寺院があり、全国的なネットワークを形成しています。
各活動拠点では、各長老による仏教法話、勉強会、瞑想指導のほか、自主的な瞑想会も数多く開催されています。
また不定期で、各種ワークショップやリトリートも開催されます。
参加方法
こちらのリンクから、協会の行事予定表を見ることができます。
はじめての参加OKのものと、経験者対象のものがあります。
参加費用は、「ご喜捨」の場合があります。
その場合は、自分の気持ちや経済事情から決めた金額をお渡しするかたちになります。
こんな人におすすめ
マインドフルネス瞑想の由来となっている「ヴィパッサナー瞑想」を実践してみたいという方におすすめです。
瞑想実践だけでなく、初期仏教やテーラワーダ仏教について学んでみたいという方にももちろんおすすめです。
月例冥想会などに参加すると、はじめての場合は、長老から直接、集中的に瞑想指導を受けることができます。
本場のヴィパッサナー瞑想の指導を受けられる機会は、日本ではまだまだ限られています。長時間、しかも比較的少人数で受けられるこの瞑想会は、非常に貴重だと思います。
瞑想は癒しやリラクゼーションではなく、「自分の心の問題を解決したい」、「より心安らかに生きたい」という気持ちから主体的に取り組むものです。
真摯な気持ちをもって参加する必要があります。
ただ、こちらは宗教法人ですが、教団組織のような感じではなく、関係者のボランティア精神で成り立っていて、閉鎖的な感じは全くありません。
勧誘を受けるようなことは全くないですし、真摯な気持ちさえあれば誰でも安心して参加できます。
追記
私が、兵庫県にあるマーヤーデーヴィー精舎で行われた「関西月例冥想会」に参加したときのレポート記事はこちらです。
日本ヴィパッサナー協会
京都ダンマバーヌの敷地内の様子 ※筆者撮影
概要
日本ヴィパッサナー協会は、S・N・ゴエンカ氏とそのアシスタントによりヴィパッサナー瞑想の指導を行う非営利団体です。
ゴエンカ氏は、ミャンマー出身のヴィパッサナー瞑想の在家指導者(1924-2013)。
ゴエンカ氏による瞑想指導が行われている瞑想センターは、世界各国に数多く存在します。
活動拠点
日本におけるヴィパッサナー瞑想センターは、以下の2か所。
京都府船井郡京丹波町にあるダンマバーヌ・センターと、千葉県長生郡睦沢町にあるダンマーディッチャ・センターです。
どちらも、人里離れた自然豊かな場所にあり、日常の喧騒を離れて瞑想に取り組む環境が整えられています。
プログラム
瞑想センターにおける実践は、基本的には10日間の合宿形式で行われる、本格的なものです。
合宿中の、1日のスケジュールは以下の通り。
4:00 起床
4:30 瞑想
6:30 朝食、休憩
8:00 瞑想
11:00 昼食
12:00 休憩、指導者への質問
13:00 瞑想
17:00 ティータイム
18:00 瞑想
19:00 講話
20:15 瞑想
21:00 ホールにて質問
21:30 就寝
見てわかる通り、ひたすら瞑想するという感じです。
また、合宿中は、コースの規律を守ることが求められます。
途中参加や早退は認められておらず、ずっとセンター内に留まることが求められます。
また、電子機器の使用はもちろん、他の参加者とのコミュニケーションや、メモ書きなどもしてはいけません。
こうしたコース中の規律は、合宿中の瞑想の効果を最大限高めるために設計されており、今まで世界中でコースを受講した数千人に及ぶ人々の経験に裏付けられています。
10日間コース以外にも、経験者向けの短期間・長期間コースや、子ども向けのコースもあります。
参加方法
以下のスケジュール表をみて、希望のコースを申し込みます。
初めての場合は、参加できるのは10日間コースだけです。
申し込みが行われた後、再度参加の意思確認があります。
合宿は寄付のみによって運営されており、参加費用は食費、宿泊費を含めて、一切請求されません。
すべての経費は、コースを終了した人たちによる寄付によってまかなわれています。
こんな人におすすめ
10日間コースの参加にあたっては、瞑想の経験は必要ではなく、全くの初心者であっても参加できます。
ただ、スケジュールを見たらわかる通り、そうとう集中的なプログラムが組まれており、他の参加者とのコミュニケーションやインターネットもない沈黙の10日間になるので、それなりの覚悟が必要です。
10日間コースは、最後まで日程をこなさなければ意味がなく、途中離脱は基本的に認められていないので、中途半端な気持ちでは参加できません。
外部とは隔絶された環境で、みっちりとハードコアな瞑想を体験してみたいという方におすすめです。
なお、ヴィパッサナー瞑想は、盲目的信仰による宗教儀式ではなく、心の苦悩を根絶するための合理的な実践法であり、信仰にかかわらず誰もがその恩恵を受けることができるとされています。
仏教徒である必要はなく、他の信仰を持っていても、あるいは無宗教であっても問題ありません。
追記
多忙をきわめる現代の日本人にとって、10日間、これだけハードな瞑想合宿に参加することは、決して簡単なことではありません。
そもそも10日間も休みを取れないですし、取れたとしても娯楽や癒しで行くわけではないので、それなりに心身のコンディションを整えておく必要があります。
にもかかわらず、最近では、申し込みが殺到し、キャンセル待ちが生じている状況。
特に女性の枠は、なかなか予約が取れないという話です。
私が以前、京都のセンターで10日間コースに参加したときのレポートをご紹介します。
ここでの体験は、1回のエントリではとても語り尽くせなかったので、全11回のシリーズでまとめています。
以下、総括編から、各エントリを見ることができます。
プラユキ先生の瞑想会
概要
プラユキ・ナラテボー先生が行なっている瞑想会・個人面談会のご紹介です。
プラユキ・ナラテボー先生は、タイで出家された日本人僧侶で、大変有名な方。
タイにあるスカトー寺の副住職をされています。
最近ではNHKの番組やツイッター説法を通じて、プラユキ先生のことを知ったという方も多いです。
スカトー寺には、日本からも心身に問題を抱えた方や、自分を見つめ直したいという方が数多く訪れ、プラユキ先生のサポートを受けています。
また、日本に一時帰国される際には、有志主催による瞑想会や個人面談会が、東京、大阪、名古屋など各地で開催されています。
参加方法
日本国内でプラユキ先生の瞑想会・個人面談会に参加する場合は、公式サポートブログ「良き縁ネット」で、開催予定のイベント情報をチェックします。
参加希望のイベントのリンクから、申し込みをします。
大人数で行うお話会・瞑想会や、プラユキ先生と1対1でお話できる個人面談会など、さまざまなかたちがあります。
一部の個人面談では、スカイプによるネット面談が可能です。
こんな人におすすめ
私は、「お話会・瞑想会」に参加したことがあります。
プラユキ先生は、もちろん長年厳しい瞑想修行をされてきた方ですが、一般人のわれわれに対しては笑顔をたやさず、とても物腰が柔らかい方との印象でした。
仏教や瞑想についても非常にわかりやすいことばで説明してくださいますし、ひとりひとりの質問にも丁寧に答えてくださいます。
プラユキ先生は、いつも「自他の抜苦与楽」ということを強調されます。
瞑想実践においても、悟りとか涅槃とかいうものにはあまり触れず、どちらかというと、「実際に日常生活を生きる私たちの苦しみが少しでも減り、楽に生きること」を重視されているように思います。
仏教や瞑想に興味のある方、また自分の悩み苦しみを少しでも解消したいと思っている方には、ぜひおすすめしたいです。
追記
私がプラユキ先生のお話・瞑想会に参加したときのツイート・レポートはこちらです。
昨日のプラユキ先生のお話で、一番印象的だったことば
— パオ@メンタルハック・ブロガー/公開2か月で約1万PV (@PaoElephant) January 15, 2019
「過去にどんなつらい経験をした人でも、仏縁に触れ、正しい方法で瞑想すれば、必ず立ち直り、前を向いて生きていける。
なぜなら仏教は、理にかなっているから。
私はそういう人をこの目でたくさん見てきた」
また、プラユキ先生といえば、手を動かす瞑想「手動瞑想」が有名です。
手動瞑想については、こちらをご参照ください。
おわりに
以上、日本国内で瞑想の指導が受けられる教室・施設を5つ、ご紹介しました。
一昔前に比べると、瞑想を学べる機会はずいぶん増えているようですが、その中でも特に代表的なものをピックアップし、まとめました。
瞑想会やワークショップを開催している団体・個人は、日本全国にまだまだあります。
今後も情報収集し、実際に参加・体験する中で、より充実した情報をお届けしたいと思っています。
参考になれば嬉しいです。
パオ