【施設編】ヴィパッサナー瞑想センター(京都)10日間コース参加レポート
ヴィパッサナー瞑想センター(京都ダンマバーヌ)で行われる10日間の瞑想合宿に行ってきました。シリーズでお届けする参加レポート第2弾は、【施設編】。どこか謎に包まれたこの施設、写真を使いながら全貌を明らかにしました。
はじめに
施設の外観(筆者撮影、以下同じ)
京都と千葉の山奥にある「ヴィパッサナー瞑想センター」。
ここは、本格的な「ヴィパッサナー瞑想」を体験できる、日本でも数少ない施設です。
瞑想実践者にとってはいわずと知れた存在。人生で一度は行ってみたいところです。
そして、ついに私も、行ってきました!
「10日間コース」に申し込み、2019年5月8日〜19日まで、泊まり込みでがっつり瞑想してきました。
とても濃密な体験でした。
一つのエントリではとても語りつくせないので、参加レポートをシリーズでお届けしたいと思います。
このエントリでは、【施設編】と称して、ヴィパッサナー瞑想センターとはいったいどんなところなのか、写真とともにレポートします。
紹介するのは、京都の施設ですが、千葉の方も大まかには同じと考えて問題ありません。
全体像
施設の外観
京都の施設(京都ダンマバーヌ)の全体の雰囲気はこんな感じです。
京都、千葉、いずれの施設も、人里離れた山の中にあります。
昼間でも、聞こえてくるのは、鳥のさえずりくらいのもの。
参加者が日常を忘れて、瞑想に集中できる環境が整っています。
敷地マップ(避難経路図)
これは京都の施設内に掲示されていた避難経路図。
文字が小さくて少し見にくいですが、だいたい敷地内に何があるかがわかると思います。
瞑想ホールと宿舎のあるメインの建物、キッチンとダイニングのある建物、奉仕者(ボランティアスタッフ)の宿舎が数軒、トイレやシャワーのある建物、ATコテージと呼ばれる指導者が泊まる小屋、そしてお庭です。
男女の生活圏は、完全に分かれています。
以下、それぞれの建物について、見ていきましょう。
瞑想ホールと宿舎
瞑想ホール外観
これは、敷地の中央にある、瞑想ホールと宿舎が一緒になった建物です。
施設の中ではもっとも古い建物で、築30年くらいになります。
ボランティアによって、わりと手作りで建てられたそうです。
窓が小さく、ちょっと異国風の不思議な建物ですね。
瞑想ホール玄関(男性側)
こちらは、瞑想ホールの玄関側の様子です。
玄関は、男性用、女性用と2つあります(写真は男性側です)。
建物全体が、向かって左側が男性、右側が女性が使用するスペースになっており、左右対称のつくりになっています。
玄関付近の掲示
玄関付近には、このように、スケジュールや注意事項の掲示があります。
重要なお知らせもあるので、こまめにチェックする必要があります。
瞑想ホール
瞑想ホール内のレイアウト(筆者作成)
瞑想ホールは、2階の中央部分にある、もっとも大きな部屋です。
神聖な場所とされているため、ここだけ写真撮影の許可がおりませんでした。
中央に指導者が座る場所があります。1段高くなっているので、少し宗教色を感じました。
ただ、仏像やマンダラのようなものは一切置かれておらず、シンプルな作りです。
ここに、約50名(男25、女25)の参加者、さらに10名弱の奉仕者が一堂に会して座ります。
瞑想ホールは広いのですが、これだけの人数が集まると、人口密度は高めです。
隣の人との間にスペースがあまりないので、少し狭苦しく感じるかもしれません。
窓は小さく、照明も弱めなので、昼間でもかなり暗いです。
参加者が座る各スペースには、マット、サブクッション、毛布が用意されているので、快適に瞑想することができます。
エアコンやストーブもありました。
宿舎
6人部屋(雑魚寝)
4人部屋(ベッド)
寝室は、男性側だけで6部屋くらいありました。
1階部分ははじめて参加する人(「新しい生徒」と呼ばれます)が、2階部分に経験者(「古い生徒」と呼ばれます)が寝泊まりしていました。
基本、雑魚寝で、個室はありません。
部屋の大きさは大小あり、3人部屋から、8人部屋くらいまでありました。
ベッドがある部屋と、床にそのまま布団を敷く部屋があります。
となりの布団とも、わりと距離が近いです。
マットレスもないので、少し布団が硬く感じられるかもしれません。
あとは、扇風機があるくらいのものです。
ストーブは、玄関付近にあるだけで、各部屋には設置されていません。
冬はもちろん、春や秋でも朝晩けっこう冷え込むので、防寒対策は万全を期したいところです。
キッチンとダイニング
ダイニングとキッチンの建物
キッチンとダイニングが一緒になった2階建ての建物です。
キッチン
キッチン入り口
これが、キッチンの入り口の様子。
キッチンは、奉仕者以外立ち入り禁止です。
ダイニング
女性用ダイニング(1階)
男性用ダイニング(2階)
ダイニングは、1階部分が女性、2階部分が男性用になっていて、入り口も異なるため、男女の接触はありません。
ダイニングのカウンター
食事の時間になると、カウンターの上に料理が並び、セルフサービスで食事をとります。
食事の内容については、食事編のエントリで詳しく書きます。
ダイニング内の掲示
このように、瞑想実践に関連して重要なお知らせが掲示されたりするので、毎日チェックする必要があります。
到着時の受付や、出発前の寄付なども、この部屋で行います。
女性用ダイニングでは、食事のほかに、外国人向けの講話なども行われていました。
ダイニング前の鐘
建物の前には、このような鐘があり、スタッフが節目の時間に鳴らしてくれます。
水場
水場
この建物には、トイレ、シャワー、洗面所、洗濯場などが集まっています。
瞑想ホール・宿舎には洗面所やトイレはないので、毎回ここに来る必要があります。
外にあるので、冬場は寒くて大変だろうと思います。
洗面所
こちらが洗面所。
コース中は、石けんや歯みがき用の塩、ドライヤーなども用意されています。
トイレ個室
こちらはトイレの個室。水洗です。
シャワー室
これがシャワー室。少し見づらいかもしれませんが、全部で3室あります。
お湯はちゃんと出ますが、谷水を使っているため、節水に努める必要があります。
小さな浴槽があるシャワー室が1つだけあります。
必要なときは、湯船につかることもできますが、あまりゆっくり入れる感じではありません。
私は、家では欠かさず湯船につかりますが、コース中はシャワーだけでも全く不便は感じませんでした。
自然派の液体石鹸が用意されています。
男性であればこれだけで事足りる気もしますが、必要であれば、シャンプーやボディソープなどを持ち込みます(ただし、香りの強いものはダメです)。
シャワーは基本、休憩時間であればいつでも浴びることができます。
ただ、夕方の時間帯は混み合っていました。
洗い場
ここで自分の衣服を洗濯します。自然派の洗濯洗剤が用意されています。
バケツを使っての手洗いです。
市販の洗剤を持っていっても良いですが、手洗いなので肌が荒れるかもしれません。
脱水機
洗濯が終わったら、この脱水機にかけます。
物干し場(屋内)
物干し場(屋外)
物干し場は、屋内と屋外にあります。
雨が降ったときでも一応干せるので、ありがたかったです。
お庭
お庭(女性エリア)
お庭(男性エリア)
お庭も、男女分離が徹底されており、ロープで区切られています。
植え込みがあるスペースでは、ベンチやデッキの上でぼーっとしたりできます。
お庭(散歩できるエリア)
散歩できるエリアもあります。
円形に砂利が敷かれており、ささやかな散歩道になっています。
休憩時間中は、本当にすることがないので、このエリアの存在はありがたかったです。
気分転換にもなりますし、身体を動かせる貴重な時間でもありました。
お庭も、ボランティアによって維持されています。
一部デッキやベンチが破損したりしていましたが、全体的にはきれいに保たれています。
私が参加したのは5月だったので、写真のように新緑が美しく、お庭で過ごすのはとても気持ち良いものでした。
ただ、山に囲まれていて遠くの景色が見えるわけではないので、少し閉鎖的な感じはありました。
奉仕者用の宿舎
奉仕者用宿舎(男性)
奉仕者用宿舎(女性)
奉仕者用の宿舎です。
施設の中では比較的最近に建てられた建物です。
個室になっているので、一般の参加者よりも快適に過ごすことができます。
コース中、奉仕者はたくさんの仕事をこなす必要がありますので、当然といえば当然かもしれません。
指導者の小屋
指導者の小屋
こちらの可愛らしい建物は、ATコテージと呼ばれる、指導者が宿泊する小屋です。
このあたりは、コース中は立ち入り禁止となっています。
おわりに
入り口の看板
ヴィパッサナー瞑想センター。
商業施設ではないので必要最低限のものしかありませんが、まじめに瞑想に取り組みたい人にとっては、理想的な環境とも言えます。
昼間でも、真夜中のように静か。自然環境もすばらしいです。
このセンター、公式ホームページはありますが、施設について詳しい情報はありません。
歴史も長く、有名なわりに、ネット上には情報が少ないのです。
神秘のベールに包まれている感じがして、どんなところなのか気になる方も多いと思います。
この機会に、興味のある方の参考になれば嬉しいです。
※写真の撮影・掲載については、事前に許可を得ています。
パオ