Google式マインドフルネスのポイント
マインドフルネス瞑想は、Googleが研修に取り入れたことで有名になりました。Google式マインドフルネスのポイントを紹介します。
瞑想はたんなる心のトレーニング
瞑想と聞くと、なんか宗教っぽくてあやしい。。というイメージを持つ方も多いと思います。
あるいは、なんか魔法のような謎めいたものというイメージもあるかもしれません。
しかし、
瞑想には謎めいたところは少しもない。じつのところ、瞑想はたんなる心のトレーニングにすぎない
引用元:「Search Inside Yourself」チャディー・メン・タン著、英治出版、2016年
「Search Inside Yourself」の著者、チャディー・メン・タン氏はこう断言します。
彼は、Googleでエンジニアとして成功した後、
マインドフルネスをベースとした研修プログラム Search Inside Yourself (SIY) を開発し、
アメリカで話題となりました。
その内容を伝えた同著は、世界26か国で翻訳されるベストセラーとなりました。
心のトレーニングであるところの瞑想、
どんなトレーニングなのでしょうか?
同著のポイントを紹介します。
瞑想=筋トレ?
筋トレと瞑想の共通点①
筋トレと瞑想の共通点①
— パオ@瞑想ブロガー (@PaoElephant) January 9, 2019
負荷をかけることで鍛える
筋トレ
→ダンベルの重さに抵抗して筋肉を収縮させ、筋肉を強くする
瞑想
→呼吸から注意がそれるたびに注意を戻し、注意力という「心の筋肉」を強くする
参考:Search Inside Yourself(Chade-Meng Tan著)#筋トレ #瞑想
メン氏は、瞑想を理解する上での補助線として、「筋トレ」を引き合いに出しています。
筋トレとの共通点として、まず、負荷をかけることで進歩するということがあります。
瞑想は、ただ、座って目をつむっているだけのように見えますが、実はトレーニングをしています。
マインドフルネス瞑想の基本的な形は、「呼吸に注意を向けること」です。
目をつむったら、呼吸に注意を向けます。
すると、ほどなくして、雑念がわいてきます。
そこで、「あ、今雑念が出てた」と気づく。
そして、呼吸に注意を戻します。
この繰り返しです。
これで、実は脳が鍛えられているのです。
メン氏いわく、
さまよいだした注意をもとに戻すたびに、注意の筋肉に発達する機会を与えている
引用元:上に同じ
だそうです。
筋トレと瞑想の共通点②
筋トレと瞑想の共通点②
— パオ@瞑想ブロガー (@PaoElephant) January 10, 2019
人生の質を大きく変えうる
筋トレ
→活力が増し、健康になり、見た目も良くなり、自分に大いに満足する
瞑想
→心が穏やかで明瞭になり、微笑むことが増え、社会生活が改善し、自分に大いに満足する
参考:Search Inside Yourself(Chade-Meng Tan著)#筋トレ #瞑想
メン氏が言いたいのは、
瞑想で、あなたの人生変わります
っていうことですね。
運動と瞑想には、こんな類似点もある。どちらも、人生の質を大きく変えうるのだ。
これまで運動をしたことのない人が、定期的に運動し始めたら、数週間後あるいは数か月後には自分がさまざまな点で大きく変わっていることに気づくだろう。前より活力が増し、多くのことがこなせ、具合が悪くなる回数が減り、鏡に映る姿も見栄えがし、自分におおいに満足する。
瞑想も同じだ。定期的に瞑想し始めてから数週間か数か月たつと、活力が増し、心が穏やかで明瞭になり、喜びに満ちあふれ、具合が悪くなる回数が減り、微笑むことが増え、そのために社会生活が改善し、自分に大いに満足する。しかも汗を流す必要さえない。
これ、ほんとかよ??って感じもします。
瞑想で人生が変わるって、やっぱりちょっとうさん臭いですよね。
脳科学の分野などで研究が進んでおり、効果は証明されつつあります。
ですから、ウソではないです。
ただ、瞑想にはやり方があり、長く続けるのは簡単ではありません。
やり方を間違えれば、リスクもあります。
筋トレだって、やみくもにやってもダメですよね。
筋トレの計画をしっかり立て、食事や睡眠など生活習慣を整え、ときにはアドバイザーの助言を得て、長期で成果を出していくものです。
やり方を間違えれば、身体を痛めたりするリスクがあります。
それと全く同じです。
Google式アプローチ
瞑想中、なかなか集中が続かないとき
— パオ@瞑想ブロガー (@PaoElephant) January 10, 2019
自分は瞑想が下手だとか、だから自分はダメなんだとか、
さんざん自分に陰口を叩く人がいる。
自分に対するその態度を自覚し、優しさや好奇心に変えよう。
自己嫌悪は克服できる。
参考:Search Inside Yourself(Chade-Meng Tan著)#瞑想 #マインドフルネス
気が散ったり、雑念がわいてきたら、
ああ、雑念がわいてきた、ダメだなあ とか
全然集中できない、自分は瞑想下手だなあ とか
自分は瞑想には向いていないんじゃなか とか
ネガティブな感情がわいてくることがあります。
著者は、このような自己批判が出てきたときの対処法として、
3つのアプローチを提示しています。
第一にやるべきなのは、呼吸のプロセスに注意を戻し、たんに注意の集中を回復することだ。
第二に、(中略)さまよう注意を元に戻すこのプロセスは、筋力トレーニングで筋肉をぎゅっと収縮させるのに等しい。
これは決して失敗ではなく、成長のプロセスであり、強力な心の「筋肉」を発達させているのだ。
第三に、自分自身に対する態度を自覚することだ。
自分をどう扱っているか、自分についてどれほど頻繁にひどい陰口をつぶやいているか、考えてみる。
できれば、その態度を、自分に向けた優しさと好奇心に替えてほしい。この変化自体も瞑想だ。そして、これまた心の習慣を形作ることにほかならない。
自分に対する優しい態度を生みだすたびに、その習慣が少しずつ深まり、それを何度も繰り返せば、自己嫌悪の多くを克服できるし、自分の親友になることさえできる。
引用元:上に同じ
瞑想の効果は、はじめは、なかなか実感しにくいです。
知らず知らずのうちに、自分で自分をいじめていることも。
自分をいじめている状態で、瞑想を続け、かえって自己嫌悪が強まることもありえます。
注意が必要ですね。
むすび
Google式マインドフルネス。
仏教書で学ぶマインドフルネスとは、ちょっと違いますね。
仏教書では、マインドフルネスや瞑想を、筋トレに例えたりはあまりしませんね。
仏教の文脈で瞑想をされている方からすると、違和感があるかもしれません。
でも、同著は、
筋トレのように誰にでもできる自己改善としてマインドフルネスを世に紹介し、その普及に大きく貢献しました。
同著には、Search Inside Yourself のエッセンスが詰まっており、実践的なメソッドが多く紹介されています。
ぜひ手にとってみてください。
サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/05/17
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