コロナ自粛中の「オンライン瞑想会」!そのメリット・デメリットは?
コロナ自粛中はZoomを使った「オンライン瞑想会」がおすすめ!実際に参加した私が、そのメリットとデメリットについて解説します。
はじめに
人類を襲った未曾有の新型コロナウイルス感染症。
こんな非常時には、私たちは普段以上に大きなストレスを抱え、平常心を保つことが難しくなってきています。
だからこそ、瞑想やマインドフルネスを実践することにより、少しでも心を穏やかに保ちたいもの。
ただ自粛期間は終わりが見えず、私たちは当分の間、専門家から直接瞑想の指導を受けることも、瞑想会(リトリート)に参加することもできないかもしれません。
こんなときは、やはりZoomなどを使った「オンライン瞑想会」です。
PCやスマホ越しの瞑想会なんて、やはり限界があるんじゃないかと思っていましたが、実際に参加してみると、それなりに有意義で、新たな発見もありました。
通常の瞑想会やリトリートと比べたときの、オンライン瞑想会のメリットとデメリットを解説したいと思います。
MBSR研究会のオンライン瞑想会
MBSR研究会のある関西医大病院の外観(筆者撮影)
私が今回参加したのは、2020年5月3日に行われた、MBSR研究会が開催する終日プログラム(オンライン)と呼ばれるものです。
MBSR研究会とは、マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR: Mindfulness stress reduction)と呼ばれる8週間のプログラムを受講することのできる、国内でも数少ない機関で、その事務局は関西医科大学心療内科学講座医局内に設置されています。
MBSRについて詳細は、以下のリンクをご参照ください。
私は以前このプログラムに参加した関係で、今回の終日プログラムは卒業生としての参加でしたが、オンラインでの参加ははじめてでした。
オンライン瞑想会のメリット
私が実際に感じた、オンライン瞑想会のメリットを以下にまとめました。
準備が楽
とにかく準備が楽です。
当たり前ですが、瞑想会の会場まで行く手間がありません。
私は小豆島という離島に住んでいるので、以前MBSRに参加したときは、毎週、片道5時間くらいかけて大阪まで通っていました。
交通手段を確認して、早起きして、荷物を準備して。。
これら一連の手間がないのは、本当に楽です。
MBSRなどの瞑想会やリトリートは、国内では受講できる機会がまだまだ少なく、東京や大阪などの大都市で開催されるケースが多いです。
地方在住者にとって、長距離移動は必至となるので、オンラインでの開催はありがたい限りです。
画面越しでもそれなりに臨場感はある
当日は、Zoomを使用しての瞑想会で、先生(ファシリテーター)が2人、参加者は70人以上にものぼりました。
PCの画面越しの瞑想会、感じ方に個人差はあるかもしれませんが、私は、それなりに臨場感はあったと思います。
ファシリテーターの説明も、はっきり聞き取ることができましたし、瞑想・ヨガのポーズの実演も、見やすかったです。
Zoomでは、メインで話をする人を大画面で見る「スピーカービュー」と、参加者全員の様子を一覧で見る「ギャラリービュー」の2つの画面を切り替えることができます。
先生の話に集中したいときは「スピーカービュー」、参加者の様子を見渡したいときは「ギャラリービュー」を使い分けることができるので、さながら会場にいるような感覚でした。
私は大画面モニターを使ったこともあり、先生との距離は、オフラインよりもむしろ近くに感じることもあったくらいです。
より臨場感を高めるために、できればスマホではなくPCを使用し、音量も大きめにした方が良いと思います。
自分の部屋なのでリラックスして受講できる
自分の部屋など、落ち着いたプライベート空間を確保できる方であれば、オンライン瞑想は、オフラインよりもリラックスして参加できると思います。
オフラインの瞑想会の場合は、同じ空間に大人数が集まるので、多かれ少なかれ緊張します。
自分の身だしなみや、他の参加者の迷惑にならないように気を配ったりします。
オンラインであれば、自分の部屋なのでそこまで緊張することはないです。
瞑想の実践には、からだがほぐれ、呼吸が整っているのことがとても重要です。
リラックス状態のまま、瞑想のプログラムにスッと入っていけるので、とてもスムーズでした。
シェアリングも問題なくできる
MBSRでは、「シェアリング」といって、自分の瞑想やヨガの体験を、他の参加者とシェアする時間があります。
さっき行った瞑想でどんな体験をしたか、どのような考えが浮かんだか、などを、思いつくままに言葉にし、他の人に聞いてもらいます。
通常、2〜3人の小グループで行うことが多いです。
これ、オンラインでも、特に問題なく行えるのですね。
Zoomには、「ブレイクアウトルーム」という機能があり、参加者全体を2〜3人のグループに分けてくれます。
私も、同じグループになった人と、ゆっくり話すことができました。
シェアリングによって、自分の頭の整理にもなりますし、他の人の体験から学ぶこともできます。また、何より参加者どうしの連帯感も生まれます。
上記の理由から、シェアリングはMBSRでも特に重視されていますが、オンラインでもこれをスムーズに行えるので、オフラインに遜色ないですね。
オンライン瞑想会のデメリット
オンライン瞑想会のメリットをいくつか述べましたが、一方で、当然デメリットもあります。
気持ちに緩みが生じやすい
瞑想会やリトリートの会場まで実際に行く場合、「さあ行こう!」という強い意志がともないます。
忙しい日常の中で、1日時間を確保し、お金をかけ、体調を整えて、長い時間をかけて現地まで行きます。
どうせ参加するんだから、より良い瞑想ができるよう、精一杯頑張ろうという真摯な気持ちが生まれます。
シャキッとし、気持ちが切り替わるので、会場まで足を運ぶ過程にはやはりそれなりの意味がある気がします。
オンライン瞑想会では、この「気持ちの切り替え」が少し難しいです。
良くも悪くも、日常の延長で瞑想会に参加できてしまうので、メリハリがないです。
瞑想中も、PCの画面越しだと「自分が見られている」感覚が乏しいため、緊張感がなかなか生まれません。
飽きてしまって席を外したり、トイレに行ったりするのに躊躇ありません。
リラックスして取り組めるのは良い反面、こうしたデメリットがあります。
瞑想の効果を実感しにくい
上記のように、緊張感に欠けるため、瞑想の効果を感じにくいと思う方もいるかもしれません。
私も、以前MBSRのプログラムに実際に参加したときは、メンタル効果を確かに実感する瞬間というのが何度もありました。
自分の感情の動きにより敏感になったり、慈悲の瞑想では、今まで人生で感じたことのないような温かい気持ちになって胸がいっぱいになったり、貴重な体験を何度もしました。
オンラインの瞑想では、気持ちに緩みがあるせいか、そこまで印象深い経験をすることはなかったです。
全く効果がないというわけではありませんが、体感としては、オフラインに比べて6〜7割の効果しかないという気がします。
また、やはりどうしても画面越しなので、音声が映像が途切れたりすることもありました。
それが、多少のストレスを生んでいたというのも、もしかしたら影響していたのかもしれません。
参加者との交流が持てない
オフラインであれば、瞑想会が終わったあとに、他の参加者の方と交流が持てる場合があります。
たまたま帰り道が同じ方と少し話したり、親睦会などの機会もあります。
同じ瞑想を実践する者どうし、話も盛り上がります。
瞑想は孤独な実践で、長く続けるのは簡単なことではありません。
心が折れそうになったとき、そうした仲間とのつながりは、助けになります。
私は今まで、そうした仲間との出会いを大切にしてきました。
ただ、オンラインだと、親睦を深める機会もなかなか持てないので、少し寂しさを感じます。
おわりに
私がMBSRの8週間プログラムに会場で参加したのは、今から半年前になります。
それ以来、個人的な瞑想実践は細々と続けてはいたものの、瞑想会やリトリートにはずっと参加できませんでした。
オンラインという形でしたが、久しぶりに瞑想会に参加してみて、思った以上に気づきや発見がありました。
瞑想を始めた頃の初心に帰り、自分が瞑想する意味を再確認し、また続けようというモチベーションを高めてくれました。
確かにオンライン瞑想会には限界もありますが、このコロナ禍の中にあっては、多くの人に必要とされているものだと思います。
ぜひ体験してみていただければと思います。
パオ